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第二部 タタシマ

物語ノ扉
第二部「タタシマ」開幕。導入文の内容は、以下のとおり――
…かねてより多々島と当て字され、多島海、すなわち花綵の島々を示す隠語らしき物、有りと云ふ。
神代、世の一切は海、無を漂うばかり――
されど、御中は成り、深き遠き海の底より、多々、島々、即ち成り立ち出で立てり。
その経緯は、知る人ぞ知る古き物語にぞ有りける。
此方彼方の意を汲めば、目に見えぬ神々の祟る島とも解き得るものなり――
未だに杳として知れぬ、謎の言葉の欠片なり――出典『照泉鏡(てるみかがみ)』

解説/タタシマ

タタシマは、此処では「多々島」と当て字しているが、別の当て字を想定しても構わない (花綵列島を想定して作成した、架空の言葉である)。

此処でイメージの底にした物語は『古事記』である。

次に国稚(わか)く浮きし脂(あぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂(ただよ)へる時、 葦牙(あしかび)の如く萌(も)え騰(あが)る物によりて成れる神の名は、 宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)。 次に天之常立神(あめのとこたちのかみ)。この二柱の神もまた、みな独神と成りまして身を隠したまひき。 上(かみ)の件(くだり)の五柱(いつはしら)の神は、別天(ことあま)つ神。

なお、『古事記』は、むしろ後世において始祖荘厳のための文書として作成されたという事情があり、 国土の創成を含む最初の部分は、 かなり時代が下ってから――大陸文化の脅威と衝撃の中で――付け加えられた物と考えられている。

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