深森の帝國§総目次 §物語ノ岸辺

物語ノ岸辺 / 物語の海の根源の底へ

おまえの実験は、このきれぎれの考えのはじめから終わり すべてにわたるようでなければいけない。
それがむずかしいことなのだ。けれども、もちろんそのときだけのでもいいのだ。
ああごらん、あすこにプレシオスが見える。おまえは、あのプレシオスの鎖を解かなければならない。
――宮沢賢治『銀河鉄道の夜』――ブルカニロ博士の言葉より

序論にして結論 / 物語というアーキトレーブ

世界は言葉で出来ている――

ヘルダーリンがいみじくも述べている―― 「認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する」。

特に注目すべき言葉の振る舞い――言葉は、現実と非現実とを、区別しない。 言葉は世界を存在分節する。存在を意味分節する。そして物語という形で世界は再編集され、再構成される。 まるで一夜城のように、いつの間にか現成しているのである。 世界という認識時空は、言葉という役者が織り成す即興の仮面劇――或いは、仮面舞踏会といった性質を呈する。

では、その言語を組み立てて世界を織り上げている運動とは何か――実は、それこそが物語なのである。

「この世界と思考は…宇宙のイメージを脅かす泡のようなものである。 その飛翔と共に血は脈打ち、思考はその火に照らされる。このイメージこそが…神話なのである」 ――アンドレイ・ベールイ
「生まれてきたことが即興なのだから、 舞踏は一度としてくりかえされたことのない必然を創造しなければならない」 ――土方巽(舞踏家)

物語とは、世界のアーキトレーブ(主梁, Architrave)である。アーキトレーブたる物語は、 数多の言葉を収集し、整列して編集し、世界解釈及び理解に至るための、一定のルールを備えた道筋と構造を与えるのである。

断章 / モノガタリ ヲ モノガタル

  1. 物語と思考の航海・出航篇/印欧語,古漢語,日本語が繰り出す「物語」と「思考」
  2. オリエント物語論・前篇/〈都市〉――〈神話〉の結節点
  3. オリエント物語論・後篇/〈言語呪術〉と〈言語芸術〉の海に
  4. 妖花アラウネ物語論・前篇/〈黒いお金〉―― 阿片
  5. 妖花アラウネ物語論・後篇/〈阿片経済〉と世界大戦の世紀
  6. 眼差しの物語論/詩的&私的〈カメラ・オブスキュラ論〉として
  7. 命の闌曲…チハヤフル物語論/日本語が生み出した物語的〈神観念〉
  8. 忘却の彼方の大和朝廷…ヤマトタケル物語論/歴史の「傷」と物語
…以下、資料を前に考察中

跋文 / 未定

《参考》――鳥山石燕「百鬼夜行跋文」/このような飄々とした跋文を書きたいと思います

§総目次§
| 物語ノ岸辺 | 物語ノ本流物語ノ時空物語ノ拾遺