深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第二部.第六章(頁.1)

第二部 第六章 頁.1.大社の門前町に至る

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渡辺津、枚方、伏見に至る。伏見深草は古き地にて、貴族の別荘、多かりき。――『照泉鏡』

カモさん一行は、その日のうちに伏見に到着したのであった。 元々は湿地だった事もあり、湿気と緑が多い場所である。街道沿いには相変わらず人家が続いていたが、 神社の門前町や市場に近付いて行くにつれ、次第に人家が込み合い、人通りが増えて来た(とは言え、 都内ほどに多い訳では無い)。

辺り一帯に、湿気と共に湧き上がる霊威を感じる――鏡はふと人家の屋根を見やり、そこに、 不思議な狐めいた姿が素早く駆け去って行く様を、目をパチクリさせて眺めるのみであった。

思わず、「キツネ…?」と呟く鏡。その姿は鹿深氏も感じていたらしく、 「お稲荷のお使いだ」と解説する鹿深氏である。「ああやって、全国の稲荷神社と通信をしているんだな」

生真面目に驚きの表情を浮かべる鏡に、鹿深氏は、「現代金融システムの祖先だよ」と言いながら、 面白そうな顔をして見せた。カモさん一行は、既に、大社門前町へと足を踏み込んでいたのであった。


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