深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第一部 第十章(頁.1)

第一部 第十章 頁.1.雨降る午後の尋問

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…その年は、新月の闇夜に大いなる流星群あらわる見ゆ。 妖霊星、流星群、蝕、白虹貫日――妖しくも美しき天文の彩り。 古き言い伝えは、大乱の兆しと説く。――偽書『照泉鏡』より

夕方も近い時刻であるが、雨は降り続けている。

見捨てられたような棟における呪術戦が終結し、九鬼軍に取り押さえられた誘拐犯グループの生存者が、 巨人による破壊を免れた土間の方に引き据えられた。 九鬼軍の隊長が3人の容疑者の前にどっかと座り、厳しい目で尋問を始めんとしている。

まさか捕まるとは思っていなかったのであろう、土間に拘束された3人の容疑者は、 冷や汗をダラダラと流しながらも、口々に叫び出した。 「わしら何も知らねえよ!」「ジジイとガキをいじめるだけの簡単な仕事だと聞いてたんだぜ」 ――下っ端の手下にふさわしく、何とも情けない動機の披露ではあった…

死体と化した誘拐犯――善美と豪丸――は、間に合わせのゴザをかけられて土間に横たわっていた。 ゴザをかけられた豪丸の死体の前に陣取ったカモさんは、生存者3名を見やると、 「こやつは生前から異様な目付きだった…この男は何度も巨人化してたか?」と確認である。

「おお…豪丸は何度も巨人化していただよ…」拘束されていた容疑者の1名が、青い顔をしてどもりつつ答えた。 「まさか死ぬとは思わなんだよ」


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