深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第一部 第九章(頁.1)

第一部 第九章 頁.1.深夜の裏庭

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妖霊星――禍ツ霊(マガツヒ)荒らぶる星、ほかの星よりなお遠く遥かから由来する星なりき。 秘伝曰く――押しひしぐ星、囲い籠める星、支配を賜る星。/まつろわぬ星、時の反逆の星、彼方の逆さ星。――『照泉鏡』

朝ノ君とカモさんが密談を終わらせたのと同じ深夜の頃合い、宿直町の或る棟の裏庭では、 鏡とタスキが密会していた。タスキは、巡回の衛士と同じような着物をまとっている。

鏡はタスキに、「おむすび如何ですか?」と、持ってきた包みを差し出した。 「気が利きますね…鏡さんは」と、タスキは感激した様子である。鏡は少し首を傾げつつ、 「いや、下院の門前町まで遠いし――敷星騒動以来、あまり食べていないみたいだったから」と返した。

「大正解…ありがたく頂戴します」タスキは受け取った包みを開き、早速おむすびを食べ始めた。 そしてクルリと夜の闇の一方向を振り返り、「長どのも」と声をかけた――すると、夜の闇の中から、 ハイタカが「頂きます」とニッコリしつつ、魔法のように姿を現したのであった。


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