深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第一部 第五章(頁.1)

第一部 第五章 頁.1.伊勢湾沿岸の宿・朝

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後世の偽書『照泉鏡』(架空の歴史書)より―― 五月吉日、神風の伊勢の国に到れり。天照大神を仰ぐ国なり

昨日の旅の疲れが出たのか、少し寝過ごした鏡は、カモさんを探して縁側に出た。 既に辺りは明るく、初夏の強烈な朝日を受けて、青空に雲が湧き立ってゆく。

ようやくカモさんを見つけ、「おはようございます」と言いかけて、 他の存在に気がついて口ごもる鏡――宿の縁側に面する小さな庭に、2人の来客が居たのである… 振り返って「おお」と陽気に応えるカモさんは、鏡及び、間を置いてやって来た戈郎にも場を空けるため、少し脇に移動した。

見知らぬ来客の姿に戸惑っている鏡の横で、まだ寝ぼけ眼であるらしい戈郎は、 「笠地蔵が双子…?」と、何やら妙な事を言っている。 ――「笠地蔵って私たちの事…ですか?」と、覆面の奥から若い女性の声がした。 もう片方が笠を少し持ち上げると、覆面の奥に切れ長の眼がのぞいた――イオであった。 「目はちゃんと覚めてます?」と確認している。

…何やら民話パロディ風な展開に、苦笑いのカモさんであった…


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