深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第一部 第三章(頁.1)

第一部 第三章 頁.1.昼下がりの坂下宿

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(前回のあらすじ)旅に出た主人公の青年・鏡が、謎の理由により忍者に追われ、命を狙われた。 しかし、鏡に同行していたヤツマタ(ここでは「旅人」の意)二人が忍者を倒した。 忍者の身柄確保となったが、忍者の風体が怪し過ぎて、 関宿ないしは亀山宿での平凡な宿泊が困難となったため、急遽、 今夜の宿を坂下宿の外れにある廃寺に変更。

偽書『照泉鏡(てるみかがみ)』より――
…坂下宿は、鈴鹿峠と沓掛峠の狭間の宿場町である。 北方に鈴鹿の山並を控え、北東部の山際へ入る間道の奥には、 伊勢の国一ノ宮の椿大神社(つばきおおかみやしろ)が鎮座する。 伊勢東海道は坂下宿を南北に貫き、東流する鈴鹿川に沿って方向を東に変える――

雲が空を覆い始めた昼下がり。燕が低く飛び始める。イオが天候をじっと観察。 そして、そのイオを眺める二人の青年、鏡と忍者・戈郎(カロウ)。

戈郎は、小柄・異形でしかも見慣れぬ風体のイオが気になる様子…、 自分が捕縛された時のショックを忘れかねている様子で、食いしばった口から押し殺した声をもらした。 「あの覆面――白頭巾は本当は妖怪じゃないのか?笠地蔵のくせに鳥のように身の軽いヤツだぞ」

「アザミ衆というヤツマタなんだよ――イオさんの事は私もよく知らない」と、鏡。 実は、カモさんの正体も謎に包まれているのではあるのだが…


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