深森の帝國§総目次 §物語ノ本流 〉第一部 第二章(頁.1)

第一部 第二章 頁.1.鳥辺野の森にて

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アザミ衆の説明――『照泉鏡(てるみかがみ)』
アザミ、是知る人ぞ知る異形の者なり。
背に大なる瘤ある故に、蓑笠を以って丈を覆い、頭巾を以って面を覆う。

――1人のアザミ衆から道連れを求められた鏡とカモさんは、顔を見合わせた。 「どうするね?鏡さん」カモさんは余裕のある様子で鏡に語りかけるが、鏡はひっかかることがあって、 口ごもった。「昨日の死んだ子は――」

「ああ、露のことですか?」イオは、今まで自分がシノビゴトを捧げていた少女の名を口にした。

「…いえ、あの事件は鏡さんのせいではありません…」風の音がザワザワと鳴る…揺れ動く木洩れ日の中、 イオは沈黙していたが…やがて、はっきりとした声で話を続けた。 「あの子は虫の息で言いました――桜、と…」

「サクラ…?」思いがけない言葉を耳にし、思わず聞き返す鏡。


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